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June 10, 2005

「韓国からの通信」

 いま朝日新聞の夕刊で『「韓流」の源流』というテーマで特集をやっている。その第2回の記事で「韓国からの通信」について書かれている。
 「韓国からの通信」は「T・K生」という匿名の人物により当時の生々しい、朴政権下の韓国情報を毎月岩波の「世界」に連載し、岩波新書となり世間の耳目を集めた。
 当然、作者は誰なのか謎に包まれていたのだが、一昨年、1993年まで20年間日本で大学教授などを務め韓国に帰国した池明観という宗教哲学者が名乗り出た。
 「韓国からの通信」及び「T・K生」に関しては当時から、「事実ではない」「憶測で書いている」「日本人が書いている」などといろいろ取りざたされていた。
 で、この池明観という男、名乗り出たのはいいが、書いた内容についてはほとんど言及していない。
 岩波の思わせぶりな態度もありほとんどの人が「韓国からの通信」に書かれたことが全て真実・事実であったように思いこまれさてしまった。
 圧制をひく朴政権下でのことだから、"いかにもありそう""こんなことはあるだろう"とかの想像や針小棒大に書かれたこともあるようで、新書版の数冊目からは内容がボロボロになっていった。
 しかし、私なんかは本に書かれたことが事実・真実であると信じてしまった。"正義のもと嘘をついてもいい""正義のためには多少の事実の歪曲も許される"ってことには到底ならない。
 こういったことの積み重ねが歴史の歪曲を生んだりするのかもしれない。そして多くの人々を裏切ることにもなる。思えば岩波書店の衰退もこれと軌を一にしているようだ。

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